高周波の部分放電は電荷量が分からない

 

 

当社コロナ放電試験器の問い合わせで、電荷量を測りたいという問い合わせがありますが、当社のコロナ放電試験器は電荷量を測ることは出来ません。

 

これには理由があります。

 

そして当社のコロナ放電試験器は「高周波・高電圧のコロナ放電」を検出するのに適するように考えた設計です。

 

詳しく解説すると難しくなりますので、要点に絞って説明します。

 

まず、電荷量の定義では50/60Hzで測定すると記述されています。そして高周波の場合の計測方法は定義されておらず、結果として「高周波の場合には電荷量を計測できない」というのが当社の結論です。

 

(電気学会の資料※にも「(高周波では)原理的に電荷校正はできない」という記述を繰り返し見ることが出来ます。)
※ 参考資料:電気学会技術報告 第1218号p28

 

また50/60Hzの部分放電試験器を動作させると、空気中に存在するイオンによって10pC程度の電荷量が測定されますが、このイオンは紫外線や宇宙線、またその他の影響によって空気中に存在するものです。

 

以前に光の影響について書きましたように紫外線なら遮断できます。

 

しかし宇宙線の遮断は難しく、電荷量を測定する方式で感度を上げると、何を検出しているのか分からない状態が起きます。

 

例えば変電所のトランスを試験するなら使用周波数が50Hzや60Hzと低いので、放電の量を調べ規定年数に耐えられるか判断する事は可能で、意味があります。

 

しかしインバーター制御など周波数が桁違いに高い場合には、コロナ放電が少しでも起きていると、短い期間で製品を不良にしてしまいます。

 

故に、コロナ放電は少しでも起きてはいけないというのが当社の考えで、コロナ放電信号(電流)を検出してカウントする方式を取っています。

XT-3302BPB37c_CoronaDischrageTester320

(写真) 当社コロナ放電試験器はコロナ信号をカウントする方式

 

コロナ放電信号は印加する電流に対して非常に小さいので検出が難しいのですが、当社では印加する電流波形の精度を高くすることで、コロナ放電電流の検出を可能にします。

 

最後になりますが、コロナ放電が発生する電圧は、気圧、温度、湿度により変わります。

 

環境による変動を考慮して、製品で使用される電圧の1.5倍以上の電圧でコロナ試験して判別するのが、高周波におけるコロナ放電対策に確実な試験方法と考えます。

 

部分放電検出の方法と電荷量についての当社の考えは以上です。

Related Articles:

To Top