毎回コロナの話題ばかりで恐縮なのですが・・・

人と顔を合わせて話したり触れ合ったりが難しいこの生活もだいぶ長くなってきて、疲れが出ていたり、気づかぬうちにストレスを溜めている人も多いのではないかと思います。

コロナをきっかけにビデオ通話を活用する人が増えたのではないでしょうか。わたしもその一人。なかなか人と会えず鬱々としているとき、遠くにいる友人とも簡単に予定を合わせて話すことができ、本当に救われたことが何度もありました。電話でも良いのですが、顔を見ることができるとだいぶ違いますよね。会えないおじいちゃん おばあちゃんに孫の顔を見せたりなど、現代だからこそできることがあって、文明の進歩も捨てたものじゃないなと思えます。

しかし、かなり進歩したとはいえ、やっぱり生身の人間同士で同じ空間を共有してこそ伝わるものというのがどうしてもあります。言葉では言い表せないいろいろなこと。その「生じゃないと伝わらないこと」の方が、実は圧倒的に多いのではないかな、と思います。

 

音楽のライブやお芝居などもそう。CDやビデオ、今なら配信によって遠隔地でもリアルタイムでパフォーマンスを観ることができますが、実際にその場でステージを観たときとは得られるものが全く違うのを感じます。どんなに画像や音響を良くしても。清々しい気分になるとか、エネルギーをもらえる感覚とか。人と人が、一緒にその場所にいて与えたり与えられたりしていることって、目で見たり耳で聞いたりできること以外に、本当に膨大にあるんだなと思います。

知人のお母さまは、以前から趣味にされていたご友人とのカラオケをコロナで自粛していた結果、介護度が上がってしまったのだそうです。やっぱり、ご趣味である歌うことはもちろんですが人が人と会って関わることにも大きな意味があるのだと思います。

 

耳は、音を感知したり平衡感覚を司ったりする器官ですが、それだけではなく、気配のようなものを感じることにも一役買っています。

アドフォクスの集音器は、右耳で集音した音を右耳に、左耳で集音した音を左耳に返していますが、この途中で左右の信号を入れ替えると音の景色が左右反転する現象が起きます。例えば、実際には右後ろに人が来て声をかけられたのに、人の気配を左後ろに感じ、そこから声をかけられるという聴こえ方になります。これによって、人は耳によって気配のようなものも感じていることがわかります。

アドフォクスの集音器は、人の言葉だけでなく、鳥の声や木々のざわめきなどもあるがままに伝えます。人間の耳は、自分にとって必要な音を選んで聞き取る「カクテルパーティー効果」という力を持っています。ともすると「雑音」とされてしまう音をカットしてしまうのではなく、人間のもともと持っている力を活かし、言葉だけではない大切なものをたくさん伝え、安心できる音の景色を感じ取ってもらいたい、アドフォクスはそのように思っています。

 

感染症にかからないよう気をつけることによってストレスで心身の健康を保てないとき、「コロナで死ぬか、ストレスで死ぬか」という話になったりします。どうするのが良いのか、なかなか答えは出ないし人によっても違うと思いますが、なんとか今の状況を少しでも快適に過ごし、辛い時期を乗り越えたいものです。

そのために、使えるものは上手く活用し、文明も駆使して行きたいと思います。