こんにちは、スタッフMです。

アドフォクス社製のバイノーラルマイク[BME-200]を使ってくれている友人、パーカッショニストの熊本比呂志くんに聞かせてもらった話を前後編に分けてお伝えしています。

後編の今回は実際に使ってみた感想、熊本くんが感じるメリット・デメリットなどを書いて行きます。(前編はこちら

【きっかけはyoutube】

さて、わたしはtwitterで、熊本くんがバイノーラルマイクを検討していることを偶然に知りました。それならアドフォクスのBME-200はどうだろうかと声をかけたのですが、実はその前からBME-200のことを知り気になっていたのだそうです。

配信にバイノーラルマイクをと考え いろいろ調べているとき、彼はある動画を見つけました。

(ヘッドフォンまたはイヤホンを使って聴いてみてください)
これが、アドフォクスの社長が投稿した動画でした。使っているのはもちろんアドフォクス社製の[BME-200]。その場にいる空気感がすごく伝わってきてとても良かったと。「如何に生っぽいか」や「最高のバランス」にこだわりたいマニアックな熊本くんの耳に、この動画のお客さんの臨場感がとても良いと感じられたそう。そして試してみたいバイノーラルマイクの一つに入ったようです。

そんなときわたしから声がかかって驚いていました。わたしの方も、友人がアドフォクスの製品を知っていて、しかも良い印象を持ってくれているという“まさか”にびっくり。

【とにかく音質が良い】

実際に使ってみて印象はどうだったのでしょうか。

まず「音質が明らかに音楽として良い」そうです。これは・・・すごく不思議な表現!熊本くんが話してくれた そのとき、その場で感じた意味を別の言葉で言い換えるのがとても難しいのですが、ただ音がクリアというだけでなく、収録、配信された音楽をコンサートとして楽しむのに最適な音質である、音楽のいろいろな要素がちゃんと伝わる、ということかな、とわたしは受け取りました。わたしが言い換えるとチープになってしまいますね。

ノイズはまあまあ少ないとのこと。多くはないけど無くはない、という感じのようです。

次にバイノーラル感。まずは音楽を録った場合。左右の方向感覚は完璧、前後も相当良いとのこと。そして奥行きですが・・・これは「そんなにわからない」そうです。ただ、それはデメリットとは言い切れなくて、このマイク一つで録る場合には音が平均化するのでまとめやすいという利点があるのだと。S/N比(信号と雑音の比率)の差が大きいほど距離感がわかるそうですが、少ないとその差を埋めてくれ、音楽の場合には音が密集して使いやすいのだそうです。

音楽を録る場合のデメリットとしては、低音が少し弱いところだそうです。スマホやタブレットで聴くならいいかな~とも言っていました。良いスピーカーやヘッドフォンで聴くなら、もう少し低音が欲しい、というところでしょうか。

一方、屋外で環境音を録ったときには ほぼ不満なしだそうです。歩きながら外の音を録ってみたそうですが、リアル感、左右、前後、上下、奥行き、近い遠い、どれもとてもよかったとのこと。

さあ、実際に熊本くんがBME-200を使って録音した映像をご覧いただきましょう。音楽の前に、まずは街歩き動画を。ぜひヘッドフォンを使って聴いてみてくださいね。もちろんなるべく良いヘッドフォンを!

 

【ダミーヘッドは使ってません】

さて、BME-200は人やダミーヘッドの耳に装着して録音したときに そのバイノーラル感を発揮するのですが、熊本くんは音楽を録る際、どんな風にセッティングしているのでしょうか。上で紹介した動画は本人の耳に入れて録られていますが、演奏の際にはこんな風にやっているそうです。

最初は鍼灸練習用の耳型を使っていたそうですが、だんだん面倒になり、今はブックエンドにマスキングテープでマイクを貼り付けて使っているそうです。この方法だと、左右のマイクに自由に角度をつけられるのがよいと。

親しい友人なのでわたしは敢えてここでこの言葉を使いますが・・・・雑!(笑)
こんな感じでセッティングしても良い音が録れるのですね。(この記事の一番最後で熊本くんの録った動画をお見せします。)

 

 

【今後の展望】

今もいろいろと試しているところですが、バイノーラルマイクを使って小編成の音楽を録るなら、バウンダリーマイク(床に置くタイプのマイク)をプラスすると良いかもしれない、とのことでした。バウンダリーマイクを真ん中に置いて、バイノーラルマイクで左右に振る。これはちょっと試してみたら良い感触だったそうです。

BME-200の印象を総合すると「改善ポイントはありつつ、いろいろ試せそう」とのこと。

 

【まとめ】

ライブ配信や収録に凝り始めたミュージシャンの中でもバイノーラルマイクに目をつけ、その場の空気感、臨場感にこだわって取り組んでいる人が偶然身近にいて、今回はいろいろと話を聞かせてもらいました。

配信や収録は、生のパフォーマンスの代替え品となりうるのかどうか、難しいところではあります。けれども、おうち時間を楽しみたい、会場へ足を運ぶ代わりに少しでも家で味わえることを、と思ったとき、バイノーラルマイクに果たせる役割はあるのかもしれません。

最後に、熊本くんが去年 撮影した動画をご紹介して今回はおしまいです。こちらもBME-200が使われています。