バイノーラル録音について、前のブログで簡単に触れましたが、今回は更に詳しく説明しようと思います。

 

バイノーラル(binaural)とは、“両耳の”という意味。人間はたった2つの耳で、左右、前後、高さなどの音の位置や方向、距離を感じ取ることができます。これを再現したのがバイノーラル録音です。

耳の中にはデコボコがあり、そこを通って鼓膜に到達するまでに回り込みや反射するなど、音に独特の特性がプラスされます。

また、脳では左右の耳に届く音量差、到達時間のわずかな差をもとに音の位置を認識しています。

人間が音を聴くシステムのこうした特徴に近い環境として耳穴にマイクを位置させて録音した音を、ヘッドフォンやイヤホンで聴くことによって、まるでその場にいるかのような臨場感を得ることができます。これがバイノーラル録音の仕組みです。

 

実際、どのようにして耳に近い環境で音を録るかと言うと、これにはいくつか方法があります。

まず、ダミーヘッドを使う方法です。これは、人間の頭部を模して作られた頭だけの人形の耳にイヤホンマイクを入れる方法です。

写真はノイマンのダミーヘッドマイク(https://www.amazon.co.jp/Neumann-NEUMANN-ノイマン-KU100-ダミーヘッドバイノーラルステレオマイク/dp/B0165DGUCC)

これはほかの物で代用することもできます。発泡スチロールなどでできた球体に、耳になる物を取り付けてマイクを付けるのです。当社アドフォクスの社長も以前、鍼灸の練習用模型にBME-200を付けて録音していました。

いろんなツボの名前の書かれた耳の模型がくっついた発泡スチロール。これをスタンドで立ててライブを聴いている姿はとてもシュールでした(笑)

見づらい写真ですみません!!

 

また、マイクを実際 人の耳に入れてしまう方法もあります。イヤホン型になっているマイクを左右の耳に入れて録音します。

 

また、ダミーヘッドは左右のマイクがある程度離れていれば良いと言う考え方もあり、耳の部分だけでできた市販品もありますし、

以前インタビューさせていただいたパーカッショニストの熊本比呂志さんはブックエンドにマイクを付けて使ったりもすると言っていました(詳しくはこちらの記事をご覧ください)。

 

今度のおうめまちゼミの講座では、アドフォクス社製のバイノーラルマイク[BME-200]を使って録ったいろんな音を映像と共にお聞かせします。

こんどのブログでは、まちゼミの講座で使う録音機材について説明しようと思います。