1〜2年前のことだったでしょうか。「こんなに楽しそうに太鼓を叩いている人がいる!」と、知人がSNSで一本の動画をシェアしていました。

見ると、本当に活き活きと、のびのびと、自由に太鼓を叩いている年配の男性がいました。

一つのやぐら太鼓を両側から一人ずつ、一方の人は伴奏的なビートを刻み、もう一方の人が自由に即興で叩いているそのスタイルと、心の底から体全体が本当に自由にのびのびして音が踊っているその演奏にわたしは釘付けになり、夢中で その動画からいろいろと辿り調べました。

それは「八丈太鼓」という、八丈島に伝わるスタイルのようでした。

 

そして、元の動画をもう一度観ていると・・・あれ?この方のしているヘッドフォン、もしかしてアドフォクスの集音器ではないかしら?と気づいたのです。

急いで社長に確認すると、以前 当社の集音器[np505]と[np606](np505の従来機種・生産終了)をご購入くださった方とのこと。

 

それからもずっと気になってはいたものの特にアクションを起こすことなく日々が過ぎていたのですが、最近ご本人から集音器の修理をご依頼いただき、連絡を取る機会ができました。

せっかくなのでいろいろとお聞きしたいなと思い、いくつか質問させていただき、丁寧にお返事くださいました。ご紹介いたします。

(1) ずっと使い続けてくださっている理由は何でしょうか?

大きくてなくさない。音がいい。実は耳に治まる補聴器を30万円ほどで買いましたが、すぐ無くしました。大きいものがいい。

 

(2) 太鼓を叩く上で集音器に求める条件は何でしょうか?

響きすぎない。

 

(3) アドフォクスの製品をどのようなきっかけでお知りになったのでしょうか?

ネットで大きいヘッドフォン型を探しました。会社が大きすぎないので、壊れたときの対応がしていただけると思いました。手作り感があります。まえのバイノーマルマイクのときは、使い道の電話をいただきました。相手にしていただけたと思いました。

 

(4) 集音器があったからこそできたことはありますか?

いろいろな楽器を楽しんでおりますが、耳が悪くなって、細かいニュアンスが聞き取れなくなっていました。集音器のおかげで、いい音が出せそうです。

 

(5) np505、np606に求める改善点はありますか?丁寧になおしてくださり感謝しています。

np606の方が音楽向きでしょうか。np505が明瞭に聞き取れるように思います。高音の使い方でしょう。使い分けて満足しています。

 

この方は、長年八丈島に暮らしてきてインタビュー記事や演奏動画も複数ある菊池淨さんという方でした。

わたしが最初に見た動画はこちらです。

この動画を観ているだけで こちらまでうきうきしてしまいます。

お若い頃からオーディオに凝っていて、バイノーラルマイクも欲しいと思われていたそうです。そしてアドフォクス社のバイノーラルマイク[BME-200]もお持ちです。

 

菊池さんはブログも書かれています。少しだけ拝読したのですが、考えが縛られることなく自由で、とても柔軟なお人柄だと言うことが全体に滲み出ている日記でした。なんと、この度米寿のお誕生日を迎えられたそうで、少し前の記事に書かれていました。

菊池淨さんのブログはこちら

 

菊池さんからのメールの中に、こんな一文がありました。

「全く自由に叩いています。自然に覚えたもので珍しいそうです。今では教室で習うものになってしまいましたから。」

この言葉にわたしは強い共感を覚えました。

音楽に限らずいろいろなものを、淨さんのように体から湧き出る自由な発想で、みんなが楽しめるといいなあと思います。