高周波・高電圧トランスでは層間に高い電圧が発生しますので、層間絶縁や端末処理には特に注意が必要です。火花放電が起こる状態ではトランスは使用不能になるため判定し易いのですが、コロナ放電はトランスの動作にほとんど異常が認められないので見逃しがちです。
XT-210 PB2のコロナ放電検出方法は、IGBTをOFFしてから高電圧を印加するのでスイッチング素子の影響を受けることなく正確にコロナ放電を検出します。
コイルに巻き乱れ・セクション跳び越し(他のセクションに巻かれた物)・くず線巻き込み(線の切れ端が巻き込まれた物)等があると、規定の試験電圧以下でコロナ放電が発生するので本装置で不合格として判定できます。
本機の動作を図で説明します。
SWをオンにすると電流 i は時間とともに増加し、L1に磁気エネルギーとして蓄積します。
SWをOFFした時、蓄積したエネルギーが二次コイルに高電圧HVを発生し、コロナ放電や火花放電が起こります。本機はテストに必要な高電圧HVを発生するため励起パルス発生回路と、HVによって発生するコロナ放電や火花放電をカウントする検出回路から構成されています。
コロナ放電試験機
XT-210 PB2