技術情報高周波部分放電試験(コロナ放電試験)における電荷量の表示をしない事由

ご存じのように、近年高周波下で使用する部品やインバータ駆動によるモータが増えるに伴い、発生するサージや高周波・高電圧で部分放電が発生し、それによって絶縁層や巻線がダメージを受けることも多くなってきています。
特にインバータ駆動によるモータの試験方法を定めたIEC文書(IEC61934TS)がありますが、しかし内容に不十分な箇所があるために、(社)電気学会の調査専門委員会で共同実験を行い新たな提案をIECにしました。

その委員会、「繰返しインパルスにおける部分放電計測調査専門委員会」による電気学会技術報告1218号、「繰返しインパルスおける部分放電計測とインバータサージ絶縁」が2011年の4月に発行されています。この中に最近の文献が紹介されています。

従来の商用周波数で試験する部分放電試験機と異なり、印加するインパルス電圧に重畳される部分放電信号を検出するために、通常は高周波のみを検出する方法がとられる事から信号を積分して電荷を求めることはできません。

また電気学会(2010年3月 70頁)報告では交流電圧での部分放電計測法 IEC60270 で規定されている pC(ピコクーロン) 単位の電荷校正は原理的に不可能であると報告されています。
電気学会JEC-0401-1990(21頁)の部分放電規格には計算式が示されていますが、本当の電荷を測定できないので、測定値を見かけの放電電荷と称する、と記してあります(真値はわからないということです)。

技術報告書「繰返しインパルスおける部分放電計測とインバータサージ絶縁」をご覧になり必要に応じて基の文献を参照されることをお薦めします。

アドフォクスのコロナ放電検出方法

  1. コロナ放電が発生した時には低周波から 3GHz に及ぶ放電信号が発生します。アドフォクスのコロナ放電試験機CORONA-iは10MHz~50MHzの信号を検出してコロナ放電の有無を判定しています。
  2. アドフォクスはコロナ放電検出感度の調整を標準コロナ発生器(CR1001)を使用し、調整、検査の後に出荷しています。標準コロナ発生器 CR1001の性能は東京都立産業技術研究センターにて測定し、評価されています。

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